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◇2013-06-10 (月)
cl.both
平成25年度「第1回奈良駅前大学」を開催
平成25年度「第1回奈良駅前大学」を開催
平成25年度「第1回奈良駅前大学」を開催
makican

本学の公開講座「奈良駅前大学」の平成25年度1回目を、近鉄奈良駅そばの奈良県経済倶楽部ビル5階で開催しました。本学の附属機関である地域公共学総合研究所の平尾透教授が講師を務め、「現代民主主義の諸問題」をテーマに講演しました。以下はその概略です。

 現在、日本のみならず世界の多くの国々において、民主主義がうまく機能せず、いろいろな問題を生みだしている。それらの解決を図るためには、民主主義というイデオロギーそのものについて考えてみる必要がある。
 政治というものは、国家権力(政府)の形成とその行使という二つの局面ないし部分から成る。前者は、(A)権力者を決める選挙、後者は(B)その権力者による政策の決定を意味する。現代政治の原理は「リベラル・デモクラシー」と呼ばれ、自由主義(リベラル)と民主主義(デモクラシー)が結合したものであるが、自由主義が問題にするのはB、民主主義が問題にするのはAである。つまり、自由主義は、権力者は国民の自由を侵害しないような決定をしなければならないとし、民主主義は、全国民の平等な選挙によって権力者を決めなければならないとする。
 このように、民主主義とは「皆(実際には多数)で決める政治」であり、「皆で決めさえすれば何でも決められる(自分で自分の首を絞めかねない)政治」でもある。従って、自由主義が、王政や独裁と両立しうるが全体主義(個人を犠牲にしてでも国家全体の利益をめざす)と対立するのに対し、民主主義は、王政や独裁とは矛盾するが全体主義を選びうる。事実、例えばヒトラーは民主主義の産物である。そもそも民主主義は危険な側面をもつのである。
 その点で、現在目立つのはポピュリズム(大衆への迎合、人気取り)である。選挙を気にする政治家が正しい政策を実行しようとしない。また、頻繁な世論調査が幅を効かせ、国民投票や住民投票の要求もよく聞く。しかし、それらは究極の民主主義と言えるが、それを神聖視・絶対視することはできない。
 民主主義の諸問題について考える場合、民主主義とは「よりまし」な制度にすぎないとう冷めた認識から出発すべきであろう。

以上の講演の後、質疑応答に移り、北朝鮮問題・中国論・道州制などが話題になりました。

次回は、9月18日(水)午後2時30分から、「経済学の歴史から現代を考える-物価上昇率目標製作について-」をテーマに行います。お誘い合わせの上、お越しください。