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◇2013-07-27 (土)
cl.both
王寺町り~べるカレッジを開きました
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王寺町り~べるカレッジを開きました
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「平成25年度 王寺町り~べるカレッジ」を王寺町地域交流センターで開催しました。今回は、シリーズ2「自分を取り巻く環境について学ぶ」の第3回目『地面の微細な変形を測る』と題して、奈良産業大学 向井厚志 教授(情報学部長)が担当しました。

まず、日本における地殻変動観測の歴史に触れ、1909年に京都帝国大学の志田順教授(1876~1936)が上賀茂地学観測所を開設し、ドイツ製のレボイル・パシュウィッツ型傾斜計を用いて地面の傾斜変化の連続観測を始めたことを紹介しました。その傾斜計は、ドイツ・ポツダムにて1889年に日本で発生した地震を観測するなど、日本にゆかりのある計器です。レボイル・パシュウィッツ型傾斜計は、水平振子を2本のワイヤーで支える構造をしています。厚紙と糸で作った簡単な模型を参加者に組み立ててもらい、その模型を傾けて水平振子の動きを確かめながら、傾斜計の仕組みを理解していただきました。

志田教授はレボイル・パシュウィッツ型傾斜計を用いて、日本で初めて地球潮汐の観測に成功しました。地球潮汐は、月の引力と地球-月系の公転運動による遠心力によって生じる現象です。潮の満ち引きなど、海水面の上下動がよく知られていますが、陸地(固体地球)も数10cm上下動しています。志田教授は地球潮汐について研究を進め、その成果が地球潮汐の水平変位に関する性質を表す「志田数」に結実したことを説明しました。

近年の傾斜観測には、水管傾斜計も利用されています。水管傾斜計は、台座に固定したポットを水管でつなぎ、ポット内の水位変化を測定することで地面の傾きを調べる装置です。観測例として、向井教授が関わっている兵庫県の新神戸トンネル内にある「六甲高雄観測室」を紹介しました。

最後に、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)による日本列島の地面の歪みの分布図を掲げ、そうした歪みの変化を正確に測定する方法のひとつであるレーザー伸縮計を紹介し、その測定原理や実際の観測事例について解説しました。

参加者からは「こうした観測や研究はどのようなことに役立つのですか?」との質問が多く聞かれ、向井教授から「地震が発生する際に生ずる断層及びその周辺の微細な動きをとらえることで、地震についての理解をより深めることができる」との説明をし、今回の講座を締めくくりました。

今回はシリーズ2の最終回で、全3回を受講された方に修了証書をお渡ししました。参加された方からは、「素人の私にも、毎回わかりやすく説明してくれるので、来ていて楽しい」、「地震やGPSなど、生活に関連したテーマで講義してくれるので参考になる」などの声が聞かれました。