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◇2013-09-21 (土)
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王寺町り~べるカレッジ「映画になったファンタジー ―現代ファンタジーの挑戦―」を開催
王寺町り~べるカレッジ「映画になったファンタジー ―現代ファンタジーの挑戦―」を開催
王寺町り~べるカレッジ「映画になったファンタジー ―現代ファンタジーの挑戦―」を開催
makican

平成25年度「王寺町り~べるカレッジ」のシリーズ3「映画について学ぶ」を王寺町地域交流センターで開催し、本学ビジネス学部の伊達桃子教授が「映画になったファンタジー」を講演しました。

後半の今回は「現代ファンタジーの挑戦」をテーマに、円熟期と言われる1970年代から現代までのファンタジー作品を紹介しながら、技術の進歩によって登場し始めた異世界作品のファンタジー映画化がもたらす効果とその問題点を探りました。

はじめに、「ファンタジー」というジャンルを世に広めるきっかけとなった文学者、J・R・R・トールキン(英)による「中つ国」を舞台とした物語『指輪物語』『ホビットの冒険』の原作とそれぞれの映画化作品『ロード・オブ・ザ・リング 指輪物語(アニメ/1978)』『ロード・オブ・ザ・リング(実写/シリーズ2001-2003)』『ホビット 思いがけない冒険(実写/2012)』の同じシーンを比較し、映画化によって原作よりもアクション重視になり、神話的・詩的な部分が弱まっている点を指摘しました。

続いて、『ナルニア国年代記』の映画化(映像化)作品である『ナルニア国ものがたり(実写/TV1988-1990)』『ナルニア国物語第1章 ライオンと魔女(実写/2005)』を紹介。作られた時代によって、キャラクターの心理描写や戦争に関する考え方が原作と異なるなど、ファンタジー映画においてリアリズムの追求がなされていることに注目しました。

さらに、現代ファンタジー作品として支持を集める『ハリー・ポッター』と『ライラの冒険』の映画版評価が大きく明暗を分けた理由について言及。それぞれの原作作品の世界観やキャラクター、物語展開、宗教色などを比較し、映画版『ライラの冒険 黄金の羅針盤(実写/2007)』では、原作の特色を薄め、他の作品と均質化してしまったことが興行成績の不振につながったと解説しました。

最後に、「この世ならぬ世界」を描くファンタジーが技術革新によって「この世のもの」として眼前に差し出されていることで、もうひとつの「ただの現実」になってしまうことを危惧。伊達教授は、「多様な表現で根源的な真実をほんの一瞬垣間見せてくれるファンタジーには、もっと多様な映像化の方法が必要ではないか」と投げかけ、さらなる挑戦的な映画を見てみたいとまとめて講演を終えました。