『醒世姻縁伝』前言 (金性堯) (抄訳)
(前略)
四十年余り前、胡適は、『醒世姻縁伝』は蒲松齢作であると唱えた。論拠は確かなように見えたが、実際には確証が無い。
私は、作者の生活していた時代及び書中の反映する歴史的特徴から考察した結果、異なった考えを提出したことがある。それは、「『醒世姻縁伝』の作者は非蒲松齢説」の論文にしたが、ここでは再度述べたくはない。
今、研究者の便宜を図り、胡適、徐志摩、孫楷第などの『醒世姻縁伝』に関する論考を付録として巻末に付す。読者は、これらの論考と原書とを相互に参閲し、この書の作者は誰かという問題に対して更に一歩進んだヒントが得られるかもしれず、信頼すべき結論が導き出せるかもしれない。
本書は多くの魯東方言を用いており、その難解さにおいては、『金瓶梅』を超えるかもしれない。それだからこそ、十年余り前、黄粛秋先生によって校勘をして貰ったほかに、詳細な注釈を作ったのである。
本書は、1933年亜東図書館排印本を底本とし、建徳周氏蔵本、省軒qin蔵本、初印十二行本、同徳堂本、中国科学院蔵本、首都図書館蔵本、同治庚午覆同徳堂本、孫楷第蔵同治庚午本の8種刻本及び石印本2種とで校勘した。これには、黄粛秋先生が主に当たられたが、この他に、第46回から73回までは楊霽云先生がもう1度審閲された。
また、卑猥な箇所は削除した。ただ、市井で用いられる口語(俗語)は、人物の性格、身分を表し、必要と思われる所はそのままにして改めていない。
金性堯
1980.12.10
(植田均抄訳)
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